今年のわくわくは?
イオショップ&ギャラリーで
竹崎さんのストール展をさせていただくのは
2013年、
2014年に続き3回目となります。
例えば初回はモンゴルの「空飛ぶ羊」という羊毛で織ったストールのとびきりの温かさに。例えば昨年はグリーンに染めたその色の深さに。竹崎さんのストールは、毎回ストールという枠を越えてわくわくさせてくれるので、今回もとても楽しみにしていました。先日展示するストールが大橋の事務所に届き、同じような気持ちで待っていたスタッフといっしょに開けてみたら……。驚きました。40枚ほどのストールの、約1/3にあたる14枚が赤、そしてピンクだったのです。
赤といっても一色ではなく、ボルドーっぽい赤もあればオレンジっぽい赤もあります。同じ赤い糸でも織り方が違うと雰囲気が違います。ピンクも濃淡があり、さらに白とあわせたものもありました。どれもとてもきれいな色で、視界にはいるだけで元気が湧いてくるよう。おもわず首元にあててみたくなりました。
大橋もピンクのストールを首元に持ってきて鏡をのぞいています。
「(故高田)喜佐さんはピンクがとてもよく似合う人だったけれど私はだめだったんです。でもこのピンクはどれもいい感じ。なんだか私もようやく似合うようになったのかな」とちょっと嬉しそうです。
それにしてもなぜ今年は赤、そしてピンクだったのでしょうか。
小さくてもエネルギーのあるもの
「赤のストールは去年もつくったのですが、色ってどんどん広がっていくんです。つくっていくうちに自分の基本の赤を完成させたいと思うようになったり、色がうまく出ると楽しくてもっと作りたくなったり」と竹崎さん。赤はイメージした色ができたと思うけれど、最初想定していたのは男性でも巻けるような大判ストールだったそう。
「大きいのが好きなので(笑)。以前ある女性の方に頼まれて赤の小さなサイズのストールをつくってさしあげたらよく似合ってらしたんです。かわいいものが首元でエネルギーを放っている感じ。小さくても首元に濁りのない色、エッジの効いたものがひとつあると元気になるんだな、と思いました。大事なのは大きさより発色がきれいなこと。そしてくるっと巻いた時に端がピョンと立つような、張りのある原毛で作ろうと決めました」。
色のエネルギーと羊毛のもつエネルギーをいっしょにしたいと思ったと竹崎さん。「それにマッキントッシュのコートに大きなストールだとずり落ちてしまうけれど、小さいとその心配もないでしょう」。好きなものを追いかけながらも暮らしの中で気づいたことには柔軟に反応します。
自分の好きなピンクを探す。
ピンクも、先輩の着ていたニットの色や友人の家の庭に咲いていたサルスベリの花の色、tumblr(タンブラー)でチェックした外国の家の壁の色など、毎日の暮らしの中で目にし、きれいだと感じたものを積み重ねて行くなかからイメージが湧いて来たそう。赤と同じように自分の好きなピンクはどんなピンクなのかと試しに5、6種類のピンクを染めてそこから色を絞っていったと言います。
「実際ストールにしてみてあらためてピンクはグレー、ネイビー、白などととても相性がよくて、服を選ばない色だなと思いました。ちょっとピンクがあるだけで全体が引き立つんです。たくさんでなくてちょっと効かせるのがいいと思うのでストールもくるくるっと首元に巻く小さめでつくりました。アクセサリーのように室内でもつけたままでいいと思います」。こちらも赤と同じように張りのある羊毛をつかっています。
今回の特集も竹崎さんが制作の途中で撮影してくださった、そこにいあわせないと見ることのできない写真をご覧いただきながら展示するストールを紹介して行きます。第2話ではナチュラルカラー、大判などをご紹介いたします。ご期待下さい!